鮒の死/ネコ助
 
排気ガス、
吐いて過ぎ去る車の後を、
いい匂いとパクパクさせて
近代化の波が集落(むら)にも来たよと、
みんなそろって追いかけた。
そんな子供らの姿を
川面に浮かぶ鮒の死に思い出す。
あの頃は、
新しいものは良いものだと信じていた。

戻る   Point(2)