深夜の鼾/
服部 剛
深夜のファミリーレストラン
テーブルの上に丸まった鼻紙
プラスティックの筒にそっけなく入れられた伝票
少しの泡を残した空のビールジョッキ
外して逆さのまま置かれた眼鏡(めがね)
「 柱に掛けられた時計の針は午前二時 」
テーブルの下の長椅子に横たわる中年男の
枕も無くはみ出して落ちそうな白髪の頭
人気(ひとけ)少ない深夜の店内に
いつまでも繰り返される
深夜の鼾(いびき)
戻る
編
削
Point
(3)