誰も、だれも、ダレモ/しゃしゃり
 
誰も、だれも、ダレモ
やさしくなんかないんだな
夜、窓から、
外を見ると、
パーキングの明かりだけがまぶしくて

ぼくはポケットにコインをさがすけれど
百円玉いちまいで、
飲み物さえ買えない
あの自動販売機も
あの電話ボックスも
やさしくなんかないし
ぼくも
やさしくしてあげられなかった
今までたくさんのひとに

ぼくがたくさんいるのなら
みんな、
それぞれ、あのとき、あのひとたちに、
ひとりずつ捧げてあげたかった
やさしくしてあげたかった
でもできなかった

散歩に行って
あいている駐車場の鉄板のうえに腰掛けて
百五十円のペットボトルを飲み
鳴らない電話の電源を切って
空を見上げる

いつかあの子と見た
流れ星ひとつ
あの子はやさしくしてくれなかった
やっぱりあの子も今夜
ひとりきりなのだろうか






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