あこがれ/ネコ助
 
私の前を歩く人がいる。
私の後を歩く人もいる。
定めのない人混みにもまれ、
めまいと孤独に立ちすくむ。
そんな時に出会った人の助けを受けて、
まなざしの向こうに見つけた一点の印。

再び歩き出した道の途中で、
先人達の遺産を見る。
歩きまわり疲れ果て座り込む路上で、
先人達の書物を読む。
その形と言葉が新鮮な水となり、のどを潤す。

先に生まれた人々の情熱が、
たくさんの言葉の励ましが、
私の内なるのもと、火花を散らす。
メラメラと立ち上る一本の火柱は、
私の体を燃え昇る。
その快感と焦燥感のあえぎの中で、
私もそうなりたいと願う。

生き方は下手でもいい、
人生に手間取るのもいい。
他人からの指図を嫌い、
他人への指図もしたくない。

とりあえずは自分のために、
次に大事な人のために、家族のために。
そして人の助けになれればいい。

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