甘いものに騙されていたい/ユメアト
指を絡めて、乾いた唇をそっと食む
カルピスの味、がする
喉にねっとりとべたつく原液を
そのまま飲み下す
甘いものでいっぱいになれば
傷から染み込んでたものは
溢れて流されていく?
傷を舐めたら、いつだって
塩辛くてただ顔をしかめるだけ
赤くただれた傷口に蜂蜜を垂らしても
傷が治るわけは、
ないだろう?
それでも
目の前にある唇に舌を這わせれば
懐かしいカルピスの味がするし、
きっと蜂蜜でもチョコレートでも
同じだよ
傷口はいつまでも塞がらないまま
凝固した蜂蜜で膿んでいく
なのに、
一体なにを
しんじている?
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