甘いものに騙されていたい/ユメアト
 
指を絡めて、乾いた唇をそっと食む
カルピスの味、がする

喉にねっとりとべたつく原液を
そのまま飲み下す

甘いものでいっぱいになれば
傷から染み込んでたものは
溢れて流されていく?

傷を舐めたら、いつだって
塩辛くてただ顔をしかめるだけ
赤くただれた傷口に蜂蜜を垂らしても
傷が治るわけは、
ないだろう?

それでも
目の前にある唇に舌を這わせれば
懐かしいカルピスの味がするし、
きっと蜂蜜でもチョコレートでも
同じだよ

傷口はいつまでも塞がらないまま
凝固した蜂蜜で膿んでいく

なのに、
一体なにを
しんじている?
戻る   Point(2)