ふたつの声 /服部 剛
 
エレベーターの扉が 
左右から閉まりかけた 

その時 

ひとりの青年がこちらに 
歩いてきた 


( いってしまおうか・・・ ) 

( いやまて、ひらこう ) 



  心のなかに 
  いつもある 
  ふたつの声 



青年はうれしそうに瞳をひろげ 
開いたドアの内側に 
入ってきた 




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