わすれもの/
とうどうせいら
風船が
高い木の枝にひっかかり
君が
届かないって言って泣くから
わたし
よじ登って
取りに行ってきたのに
帰ってきたら
君はいないの
いつまで待っても
もう
取りに来たりなんかしない
違う風船が
飛んで行ったって言って
今ごろ 誰かに
また泣きついてるんだ
ヘリウムガスが
抜けていく
風船
でも
最初はちゃんと
生まれた意味があった
ねえ風船
わたしが
抱いててあげるから
怖がらないで
いいんだよ
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