うつくしく/三条麗菜
ひとりの時も私は
うつくしく
うつくしく
している
鏡を何度も見て
うつくしく
うつくしく
している
私がもしも醜く
映ったら
その時私は
自分を葬ることでしょう
それが
生きるという
ことです
それが
生きるという
ことです
誰にも否定は
させません
たまに外の風に当たり
病原菌をもらってしまい
病床に力なく横たわる時も
私は何度も鏡を見て
うつくしく
うつくしく
している
できるかぎりのこと
できるかぎりのこと
命あるだけではない
できるかぎりのこと
それが
生きるという
ことです
それが
生きるという
ことです
誰にも否定は
させません
戻る 編 削 Point(3)