画伯の無情/不老産兄弟
 
面接を何度も失敗しているうちに
僕は何もいえなくなってしまった
もう面接はこりごりだよ
面接官は人が聞かれたくないことを
きっと知っているんだ
くそったれ

泣いても笑っても
母親が一緒に来てくれるわけでもないし
怒ってやつらをぶん殴ったら
すぐにたくさん人がやってきて
僕はつまみ出される

それが会社というもの
所詮は会社もサブローの手下さ

みんな変わり果てちまった
もう二度とやつらを信じることなんでできやしない
サブローがまだ長男だったとき
僕たちは大地にまたがり
しなやかな青空の先端を弾きあっていたのに

今の僕は性欲が足りない時がある
そしてこの性欲が足りねえのが
数千年に一度起こるといわれる
性欲たちの絶滅を思わせる

箱根山頂の露天風呂から見渡す景色は
なんとも絶景だ

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