碧い腫瘍/
服部 剛
酔っ払い
どこまでも寂しくなる夜
赤くほてった顔でふらふら歩き
電信柱に額をあてて寄りかかる
辿り着いた
バス停のベンチにへたりこみ
夢に見る
愛しき君の膝枕
心に宿る
碧(あお)く光った一つの腫瘍(しゅよう)
いつまでも
ほてった頬は夜風に吹かれ
手をあてた
震える胸の内側で
溶け出した
碧い水は染み渡る
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