輪廻/海月
遠くで犬が吠えている
冷たい雨が降り続く中で傘も差さずに
僕は何処に向かう訳でもなく歩く
季節外れの桜は花弁の代わりに葉を落とす
認めずに生きようとする自分の愚かさに気づく
格好ばかり気にしすぎている
だから、内面は儚く脆い
遠くもないかと言え近くもない
その狭間で揺れ動く感情は馬鹿らしく思え
僕は人の形をした機械仕掛けの人と化す
綺麗や可愛いなどは一瞬の形でしかない
口説き詞ほどに意味のないものはない
歯車は老朽化による被害を受けて
回る速度を遅めてもなお回る
絡まり合うのは人の性
撫で合うのが人の性
理性と知性を兼ね揃えた
恐ろしく愚かな生物でしかない
自分達のルールは世の為になると考えている
他の生物を守るルールを考える癖に
到って単純に生物を殺す
何の為にその犬は吠えるのだろう
鎖で首を繋がれて
自由の手前でオアズケ
冷たい雨の中で僕は静かに眠りにつく
僕は何処へ行くのだろう
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