創書日和「流」/イズミナツキ
 
電車に揺られて
ちゃんと見えない景色
この電車は
終点に着けば
もう一度
同じ線路を走る
あの駅で
降りるはずだったけど
もう
次の駅を降りる気もしないや

昨日は
もうやってこない
歩いても
歩かなくても
明日は
流れてくる
水の流れのように
昨日が流れてくればいいのに
そしたら
もしかしたら
あなたの涙は
流れないかもしれないのに

振り返っても
昨日は来ない
ただ
手を振って
記憶に流れ込む
だけ
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