翼/海月
 
不思議なもので最初は誰もが怖さを抱いている 
生まれて初めての呼吸の仕方 
単純に考える事でしか出来ない 
深く深く深海に行くに連れて 
光が届かない闇の中で 
僕は今、泳いでいる 
綺麗に並んだ 
小学生の集団登校 
真新しいランドセル 
傷だらけのランドセル 
何かを望んでいる訳でもなく誰かを求める 
心を許す友人や単純な彼氏や彼女の領域 
責任追及をすれば限がない 
最初の嘘は軽かった 
その嘘が君の急所を捉えるとは思わなかった 
後は会話をすればするほどに痛めていたのは君だった 
ごめん 
ありがとう 
さようなら 
今なら君に素直になれそうなんだ 
呼吸をする為に海から出た 
光、溢れる世界 
呼吸が出来ない程に苦しかった 
僕はその世界に住むべき人ではなかった 
蝋で出来た翼は静かに溶けていくだけ・・・ 
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