柿の実/
服部 剛
秋風に揺られ
無数に実りゆく
夜の小さい太陽達
今にも落ちそうな実に
枝はしなる
自分らしく熟れるのを待つ
世界中の人々のように
ぶら下がる無数の実が
枝から離れるまで
幹を据え
重みに耐えながら
それぞれの実を唄わせて
秋風に揺られている
枝から ぽとん と落ちた実を
夜明けの道の向こうから
誰かが拾いにやって来る
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