道 /
服部 剛
目の前をみつめると
十字架は橋となり
わたしの明日へと架かっていた
振り返ると
両腕を広げたまま
横たわる人の体の上を
気づかぬうちに踏みながら
産声を上げた日から今日まで歩いて来た
( 不思議な風に 背中を押され )
夜になるとわたしは
投げ出された世界の闇で
独りふるえる羊になる
雲間から顔を出す月
夜風に踊るすすきの群
淡い光が世界を照らすと
ふたたび 道はあらわれる
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