未完成な一行詩/海月
秋の空は何処か澄んでいて
見慣れた街並みさえも今日は違って見える
遠くで野良猫が鳴く声が響いている
それは孤独で鳴いているのかな?
それとも闇が怖くて鳴いているのかな?
僕には解らない
僕は僕でしかない
他人を演じたり、他人を理解したり
することは苦手なんだ
長い坂道を自転車で下れば
君を送り届けた駅に出る
いつもと変わらない電車
少しだけ今日は綺麗に見えた
それは夕焼けが反射しているだけかもしれない
それで良いんだ
浪漫がない方が良いんだ
無駄に夢に縋り付いて傷付かずに済むから
今、思えば間違っていた
あの日に伝えたい言葉
愛して
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