カステラ一皿平らげる/あおば
完爾として
泡沫候補が
手を振る
ドライバーが急ハンドルを切って
横町に突進していく
地方選挙の時代だと
大見得を切る
大ボス小ボスに
一泡吹かせてやりたいと
立候補した叔父さんは
思いの外の得票に
しばらくは
完爾としていたけれど
次点にも届かず
事務所のだるまも
涙目に見えたけど
所詮はこんなものと一同納得したのに
納得できない幹事さん
完爾として笑えない幹事さん
次は、
俺が立候補すると
密かに考えているのも知らないで
泡沫候補の叔父さんは
これからも力になって欲しいと
まじめな顔して頼んでる
叔父さん叔父さん何処行くの
あなたの居場所はも
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