あめ玉 /
服部 剛
朝の車の中で
おばあちゃんは
他のお婆ちゃん達に
七色のあめ玉をくばって
僕にもくれた
「 このあめ玉をなめると
元気百倍ですね 」
というと
おばあちゃんは
たくさん入った袋ごと
僕にわたした
日中の仕事はてんてこまい
机の上は書類の山
皆が帰った部屋に忘れ物
主任さんからカミナリ落ちた
しょんぼり休憩室の扉を開き
ひとり畳の上に座って
ポケットから取り出したあめ玉ひとつ
小さい包みをほどいて
口に入れた
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