土踏まず/しゃしゃり
どうして足のうらなのに
土を踏まないのだろう
そんなに凹んで
まっしろな砂丘のように
いつかほんとうの
おまえの生まれた土地を
踏みしめるためなのだろうか
いつかほんとうの
おまえが生まれる土地を
どうしてこころなのに
だれをも愛さない
そんな凹みも
いつかはだれかほんとうの
愛すべきだれかを愛するために
土踏まずでつめたい竹を踏む
なんどもなんども踏んでいる
いつかほんとうの
さみしさに出会うときのために
いつかほんとうの
愛を知るさみしさへの
練習のように
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