「悪い夢」 /服部 剛
昨日の仕事を終えた帰りのバスで
( 毎日々々同じことの繰り返しだなぁ・・・
と心に呟(つぶや)きながら疲れてうたた寝していた
今は亡き・好きな作家のE先生が
ぼんやり現れ
( 平凡なだからこそ
( 誰かへのささやかな愛情で
( さえない日常に花を飾るのさ
と語る声を耳元に残して消えた
家に帰り「 お帰りなさい 」と
食卓を囲む婆ちゃん・親父・母ちゃんと飯を食い
今日という日を洗い流すように歯を磨き
寝不足なので夜9時半に布団に入った
*
気がつくと免許の無い僕が何故か車のハンドルを握り
見知らぬ道で人を{ルビ
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