一瞬/海月
長い坂道の途中で足を止めて見上げた
青空は二度と戻る事はない
一度きりの一瞬を心に閉じ込める
色褪せたアルバムの写真を一枚、一枚と捨てている
意識はしていなくても何かを感じている
言葉が出なくても伝える全ては一つじゃない
そうして、僕らは未来に残せるものがある
歩けないのならその場に立ち止まるのもいいさ
立っているのが疲れたら腰を下ろせばいいさ
潮風の心地良さが肌を伝うこの場所で
二つの不揃いの影が遠くに伸びている
夕焼けの色は忘れらず
今も心の中で沈まず
この思いを未来に渡せたら
この景色を未来で見れたら
そろそろ、かえろうか・・・
貴方が呟くその言葉は満足そうで嬉しかった
僕は何に迷い続けているのだろう
貴方が笑えば
貴方が泣けば
貴方が怒れば
全てが今の僕を形成し
大切な一瞬と化す
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