*なかったはずの*/
かおる
勇気は境界線の狭間で
いつだって萎れていくだけで
零れ落ちてしまいそうな気持ちに
ぴったりと蓋をして
伝えなかった一言
感情の起伏のような山並みを
ゆっくりと雲が隠していく
嘘つきな唇が重ねる現実と
くすんでいく緑
笑顔の仮面
夏を諦めた空も泣いている
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