ぽつり ぽつり/海月
心地良い風が吹く
深夜零時の屋根の上
ぽつり
ぽつり
数えられる程の灯りしかない
後、一時間もすれば全てが消える
月明かりと星明り
僕を照らすには眩しすぎる
僕はまだ浴びる程の人間じゃないさ
僕がいる場所がステージならば星がお客さん
そして、月が大きなステージライト
妄想でしかないけど今はそれで満足なんだ
人が苦手で逃げる様に狭い所ばかりを歩いてきた
その癖で人の前に立ちたいと思っている
そして、ちっぽけな唄を歌いたい
誰かが感動してくれるようなものを歌いたい
恥ずかしがり屋でまともに話せないけど
心の奥では話したい事が一杯あるんだ
誰か聴いてくれないかい?
ぽつり
ぽつり
数えられる程の灯りも消える時がきた
拍手も残すところ後、僅かしかない
この曲で終りにするよ
そんな所にいたら風邪を引くよ
今は一人しかいないお客さん
そんな君に歌う最後の曲
ぽつり
ぽつり
流れた涙の意味は決して悲しいだけじゃない嬉しいんだ
最後まで聞いてくれる君がいてくれる事が嬉しいんだ
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