fractal/あやさめ
た。記述をしてしまったんだ。
ここで僕たちは当初の<1>にある上位の記述のみの存在であるというには矛盾が生じてくる。
<1>にとっては、この矛盾は大きな痛手だ。できることならば書き直されなければいけない。
ところが僕たちが持っているこの台本はいまだに変えられていない。
さあ果たして僕たちは『書かれた存在』から逃げられることができるのか。このまま延々と妨害しつつ存在を続けることができるのか。
それとも……」
<1>
とある道に、4人の男がいる。
2人ずつ歩いている彼らの行き先はそれぞれ反対の方向である。
片方の男たちは議論を大声で続けていて、もう片方の男たちは黙って歩いている。
しかし、互いは互いを気にしないだろうし、
どちらがどちらかなんてことは……どうでもいいことなのだ。
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