名前を呼ぶ人よ/海月
僕の名前を呼ぶ人
後ろを振り返っても誰もいない
微かに呼び声が聞こえる
呼ぶのは誰だろう
自分の事に精一杯だから周りに目がいかず
その癖に人の上に立つもんだから見てみぬフリが上手いんだ
本音と建前を上手に使い分けて登り積めた居場所
足元に力を入れると脆いから直ぐに砕けてしまう
抜かれたくないから足元を見ずに前ばかり見て歩く
だから
小さな石に躓くことが多くなった
横断歩道を渡る時に手を上げたなくなったのはいつの日だっけなぁ?
格好悪いなんて思い始めたのはいつだろう
人に指で指されるのが嫌だから手を上げず
教室の角に溜まった酸素を吸
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