未完成な旅路/海月
 
僕が背負ってきた物の重さを考えてみた
責任や重圧や期待を何回も踏み躙(にじ)ってきたってきたから
今は背中が軽くて何処までも歩いていける

小さな鞄の中を全部出しても大切な物は何にも出てこない
着替えと身分証明書と散らばったお金
これしかなくても重さを感じられる

右手が疲れたら左手に渡す

右足を出して左足を出す
一歩進むごとに僕は前に進んでいる
立ち止まることもしないで行く宛てもなく進む
ちょっと疲れたら手頃な石を見つけて腰を下ろす

名もなき画家が完成することない風景画を横目で見ながら進む
五分ぐらい進んだ所で足元には水彩絵の具が
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