『落日』/
しろいぬ
落日の音がした
ごとりと 夜の底を叩いて
日の落ちる音が響いた
繰り返す目覚めに溜息して
むせ返る生活の臭いに眉を寄せた
「しあわせをきめるのはだれ?」
加速する日常に心を忘れ
落ちた日が響き耳鳴る
取り戻せない
取り戻せない
取り戻せない
なにひとつ
なにひとつ
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