小さな唄/海月
 
自転車を転がして遠くに向かう
行く当てなんてありゃしないさ
僕が足を止めた場所が目的地

長い長い一本の線路の横を漕ぐ
電車はどちらから来るのだろう
僕の前から来るのだろうか?
僕の後ろから来るのだろうか?
どちらにしても重なる時は手を振るよ

電車の中では知らない人が何処かに向かう
夢を追うのか、夢を捨てるのか
僕には分からない
出来るだけ風を切り
涙を風に乗せて海に還す

無人駅で切符を破って捨てる
夢の乗車券も此処でお別れ

さよなら

夜の砂浜の上に転がる
人は誰もいない
祭りの後の静けさ
波の音が砂を運
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