靴/
服部 剛
休憩室の扉を開くと
左右の靴のつま先が
逆(さか)さに置かれていた
ほんのささいなことで
誰かとすれ違ってしまいそうで
思わず僕は身をかがめ
左右の靴を手にとって
ふたつのつま先を
そろえて置いた
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