靴/服部 剛
 
休憩室の扉を開くと 
左右の靴のつま先が
逆(さか)さに置かれていた 

ほんのささいなことで 
誰かとすれ違ってしまいそうで 

思わず僕は身をかがめ 
左右の靴を手にとって 
ふたつのつま先を 
そろえて置いた 




戻る   Point(24)