古本屋のカゴで五十円で売っていた本を見て/海月
どれでも五十円」と色鮮やかな文字で書いてあった。
人々はそのカゴの中を手探りで探すもんだから本は傷ついた。
なんだか、悲しくもなった。
「いつもは本のことしか考えていなかった」がその時ばかりは作者の事を考えてみた。
もし、自分の書いた本が五十円で売られていたら・・・
僕が作者なら心を痛めて全てを買い占めるだろう。
半分以下でもきっと買い占めるだろう。
僕の将来は詩人(物書き)になることだ。
仮に詩人(物書き)になったとして本を出版する。
仮にそれがある程度売れたとして僕は素直に喜べるのだろうか?
確かに自分の作品が売れたのだから嬉しい
その分中古で出回る個数も多くなると言うことだ
自分の本が並んでいないかどうか?
僕はカゴの中を必ずチェックを入れるだろう。
その恐怖心に勝てるのだろうか?
ただ、それは作者(ぼく)のプライドでしかない
僕が思う程に本当は考えていないのかもしれない
皆さんも古本を買う時や見つけた時は考えてみてください。
本の事よりも作者の気持ちを
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