望みは眠り落ちる時に/梔子
 
わたしは一生 起きたくありません

だれかきいてください だれもきかないでください

たばこの煙が目に染みて涙が出ました

こんなものは泥水と変わらないのです

わたしの存在は死体の血肉を貪る蛆虫と変わりません

無駄に食べ物を消費して 無駄に電力を使い

生まれて今まで無駄なことしかしてきませんでした

わたしの存在は無駄です

だれか 殺してください

いいえ 殺される価値もないのです

わたしは 今まで無駄に消費されていったものたちの代償にのたれ死んでしまえばいいのです

最期の最期まで 断末魔を揚げながらもがき苦しみ死んでしまえばいいのです

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