風の流砂/
服部 剛
愛は、脆(もろ)い砂の塊(かたまり)
この手に掴もうとすれば
指のすき間から零れ落ち
一時(ひととき)で姿を消す
優しい陽射しのこぼれる
窓辺の下にそっと置かれたまま
砂の塊は光を帯び始める
窓を開くと
レースのカーテンはふわりと靡(なび)いて
密かな風に運ばれる流砂
吹きこむ胸の内に滲みはじめる
淡い光
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