さよなら、夏の日よ。/海月
も君にも無いんだ
同じ道を足並み揃えて歩いて行く必要はないんだ
少し先の曲がり角まで私は先に行くね
それまで「さよなら」
ヒトリノ未知は怖い
草花の揺れ具合
陽炎の伸び具合
風の音
足音
全ての体感は独りきり
慰めて進んだ道も誰も傍にいない
と、暗闇も怖くて一歩も進めず
独りぼっちで静かに蹲っている
君が通るこの道を・・・
迷子になったのは私自身
君が曲がった道と私が曲がった道
別々の風景が其処に在る
ただ、一つ空の下で繋がっている
そんな優しさならバッサリと切り捨て
暗闇の中を独りで歩いた方が気が楽ではないだろうか?
私はそんな日が来たら旅に出掛ける
向日葵は下を向く
さよなら
夏の日よ
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