鳥の影絵 /服部 剛
「純粋」と「不純」の間で
へたれた格好をしている私は
どちらにも届かせようとする
執着の手足を離せない
一途に腕を伸ばし開いた手のひらの先に
「透明なこころ」
( 私は指一本、ふれたことはない。
卑しく伸ばす震えた足先に
「寝室の裸婦画」
( 私は指一本、ふれたことはない。
ふれえぬものは、なんなのか
ふれたいものは、なんなのか
わからぬまま「愛」をもとめてとびそこねる
私は空白の影絵。
「純粋」と「不純」の空白に
不器用に翼を広げ、か細い二本足で立つ
私の影は、阿呆鳥のばれりぃな。
戻る 編 削 Point(12)