ランドスケープ/藤原有絵
生活という枠組みをいつも
穏やかさと野蛮さでもって
埋めてしまいたいと思っている
ただ一人の人を想う事さえ
億劫になるほどの
気持ちのよい自分のテンポで
強かに踊れるって
素敵でしょ
だ なんて
君にわかるかしら
生活という枠組みをいつも
愛しいものと少しの絶望で
満たしている事実
それはたくさんの人からの
少しずつの借り物で成り立っている
返さない借り物で満ちている
とろとろの思考を
打ち水が反射する光に溶かして
いっきに
飛び込んで!
くぐもった音の世界で
ああ どうか
頭が真っ白になる
ぎりぎりまで耐えて
とぷんと抜ければ
そこが きっと
枠から溢れた
また愛しい日々へ
続いていると
いつか上手に教えてあげる
僕が生活と繋がる
ゆるやかなランドスケープ
きっと 見せてあげる
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