スローモーション/霜天
夏祭りの音の屋根
迫り出した空のかけらは
まだ遠い、午後の私へと溶けていった
古い夢の神社の石段を
ひとつ飛ばしで駆け上がれば
頼りない心音のままで
私はきっと、そこにいる
夏の夕暮れのやさしさを
今も確かに覚えている
音の染み込む街の隙間に
待ち続けていたものは
私のどこへ帰るのだろう
短い言葉の切れ端だけを持って
朝には珈琲を飲み、窓から飛び出していく
繋ぎ止めたい、私は
そこに居続けることはない、だろうから
永遠、という言葉を誰も知らないのに
永遠という言葉がよく似合った空だった
そこに行きたいと強く、思う
夏祭りの声と、声
光の届かない部
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