森林駅西口徒歩五分/海月
 
くった

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最後に景色を見たのを忘れた
今日に限りを本を忘れて流れる景色を見ていた

「次は若葉 次は若葉
 お出口は右側です」

アナウンスの声が流れた
目を背けたくなった
心の中で受け入れたくなかった

景色は夕焼けを浴びて綺麗だった
マンションの間から陽射しが零れて
僕の目を射抜き眩しかった
その瞬間に忘れていた感情が甦る
用も無いのに降りてあの喫茶店を探した
前の場所には新しい住所が書いて在った
どうやらマンションの一階に移ったらしい
中には昔の写真がたくさん在った
それは昔僕が見た景色だった

今の僕を支えてくれる
その喫茶店

森林駅西口徒歩五分

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