六月のはな/hiroto
 
最近咲いたこの花は
いつか寂れてしまうだろうか
哀しいあまり枯れるなら
いっそ千切れてしまえばいい

洗い流して顔から汚れを
落とせるように俺の背中も
砕け散ってしまうまえに
汚いやり方で固めてしまえ

紫陽花に寄り添うように
雨が雫を置いて行く
置き去りにされた千路の涙も
力なくして垂れ地に落ちる

亡き亡き時代 虹に輝き

座り込んで膝に作る
あざにも似た痛みの影も
消え去ってしまうその前までに
焼き付けてしまえ縫い付けるように

裸で眠りこけて 朝冷えに起こされ
煮え切らぬ朝の薄さ 期待無い光の影と
安らぎに似たあの日々の頃の 夏の朝日に
何故か近づく
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