梅雨時 五月雨/mamei
ひっそりと息を潜める雨の夜の街はどこか昔々の村の葬儀の参列に似ている
雨が耳には聞こえない音を打つ
電線からしたり落つ 涙のような雨は
一定の旋律を保ちながら静かに地上に降る
雨に濡れた地面と漆黒の空には
青の信号ネオンと 赤の車のライトが
オーロラのように懸かる
参列する人々
蒼く茂る草叢から這い出て来るものの様に
静かに秩序を保ちながら一定の列をなして歩み行く
どこへ行こうとしているのか
誰もきくことは許されないような空間
恐怖というものが、暗闇とつながると言ったらそれは嘘である
何故なら暗闇には全てを美しくする力があるからだ
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