レースフラッグ/たけ いたけ
 
風が叫びまくってる
声にならないその強烈な空気は
なんにもなくなってる僕の体を色づける

マシーンがひた走るアスファルトには
誰かの命も同じように走っていた

この不飽和で不純である世界は
いつも寄りかかりを求めていた

閉館です
どうやら閉館日らしいのです
やって来た数人は
あっ
気にとられる

な、君
僕は何度も窓の裏側でひらひらする
カーテンを見たんだよ

空気はどこまでも繋がっていそうで
僕の体の中でもう止まっていた
淀んでいた
おはよう

行った瞬間でさえ止まることを知っていたし
分かっていた

ざわめきのどこを切り取ればいいの
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