ボヤケテへばり/たけ いたけ
あの暗闇に落ちていく脱皮を思いながら、
亡くし物を探すふりをしていたら、
ついに目的を見失って、
自分自身を忘れた、というよりボヤケタ。
脱皮がどんどこ消えていくマンホールの上を跨いでいく、
真夏日と騒がしさ。情熱と嘘。
その間もボヤケタワタクシは600メートルも離れていて、
それでも目の前を、少女と幻想。石ころとオシャレ。
(くすぐる鼻先
隙間のない形
完璧な窪み 切れ長の視線
遮る圧倒的な風
通り過ぎる瞬間
八方飛び交う世界
無意味)
が、通り過ぎボヤケタ内部が乱れる。
もう底に達しただろうか脱皮も、最早、
途中でひっかかっていようが、
ネズミに食われようが、知るすべもなし、
だが、繋がっているセンチメンタルが千切ずにへばりつく。
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