夕焼けの街/結城 森士
真夏の一本道は何処までも続く
と思っていたのに気づくと僕は
廃墟の街で佇んでいた
強烈な西日を受けながら
僕は少年の影を追いかける
街が暖かく流れていき
ランドセルを地面に置いて
仰向けに寝転がった黒猫と戯れる様をご覧よ
少年の隣には赤いランドセルと、
チリンチリン・・・
現れては消えていく
少女の笑顔
赤い一本道を淡い光に包まれて
僕は少年の影を追いかける
過ぎ去っていった暖かい季節に
仄暗い白電燈に照らされて
ぼんやりと道を歩く姿をご覧よ
夜道に立ち並ぶ蛍光灯は、
ポツポツ・・・
俯いた瞼から、透明な水滴
陽の当た
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)