夏の宵に/朽木 裕
 
自分の存在意義を問う 
存在価値を問う 
答えは出る筈もなく 
無理に出そうとしたならば答えは否 
いつもいつもそうなのだ 
純粋に手伝おうとしているのに 
実際、蓋をあけてみれば足手纏いにしかならない 
居ない方が事がスムーズに進むのではないか 
そう思う 
けれども私はいつもそこに居るのだ 
色々な感情がひしめいて 
また、いつもみたいに死にたくなって 
そしたら君がいた 
夏の宵にまぼろしみたいに 
熱があるから来ちゃ駄目だよって云ったのに 
心配で心配で涙が出てきて 
自分が今、何で泣いているのか分からないくらい、
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