君に会いに行くために海へ行く/海月
 
海の方へと走らす車の中
僕は何を考えて運転しているのだろう
自分に質問しても何も答えは出ず
アクセルを踏む足に力を入れた

優しさなんて口先だけ
と、思えてしまう
信じる程に失望は大きくなり
君の事を想う程に浮雲に月は隠れ
微かな光が高速度道路を照らすだけ

暗闇の海は静寂すぎて
砂の様に僕も飲み込まれる
砂と水の境目さえも見えず
歩みすぎて浸かる水の冷たさ
心の奥底に染み渡り
遠い記憶を呼び起こす

月夜の灯りを受けて
細く長く伸びる僕の影
足跡は波が浚い
浚いきれずに僕が残る
影は波の上を漂う
片思いの夢の欠片

幸福の定義は何処にもなく

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