意識の気流/結城 森士
 
砂が空に舞い上がるゆうべ
日差しは糸を伴って零れ落ち
砂は雲となり赤い雨と共に
散々と降り注いだ

空の上には校庭がある
校庭の雲平線はどこまでも白く
子供たちは白い綿絨毯の上で
無邪気にはしゃぎ回り
雲の端から地上を見下ろす

――落ちる――

と思えば
真っ逆さまに落ちていく
地表を突き抜け
どこまでも少年は
ゆっくりと目を閉じて
深く深く 消えていった
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