断絶と想起/七条 優
 

 視線が絡まりよるのはじまり
 行き先などは無きゆえ
 午前二時にカクテルで乾杯
 午前三時にベッドで乾杯
 途切れたニュースはこう語るだろう
 「キリストを殺したA級戦犯は神風特攻隊」
 そしてわたしは満身創痍
 手錠を唄って切り刻む
 すべてを追いやって手に入れる
 抜け殻の自由
 けれども
 カクテルはわたしを追いやった
 きみはわたしを追いやった
 ひとりで闇に落とされて
 溢るる記憶に深呼吸
 深層が押し迫ってくる瞬間
 わたしの喉は突き刺され
 頭を痛ませる過去が嘲笑うんだろう
 あまりにも愛に溢れていたがゆえ
 欺瞞に満ちていたがゆえ

 震える唇でつぶやいた
 真冬の花火をおもいだした


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