縁日を居酒屋で/海月
見せ付けて語る
何でも獲れたからよぉ、追い出されたこともあるんだぜ
僕が軽く水を差す
でも、女のハートは射抜いていないじゃない?
それとこれとは話が別だぜ
枝豆を頬張る頬から笑みが零れた
親父は頬を赤らめて料理を作っている
ベビーカステラの柔らかさ
綿飴の優しさ
唐揚げの柔らかさ
酒の優しさ
大人の心を少年時代に戻す
居酒屋で縁日を感じる
来年は親父と共に縁日に行こう
そんな約束をして店を後にする
笛太鼓は遠くで聴こえるだけ
余韻を連ねて帰路を向かう
その心に好奇心が甦っていた
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