光の射す方/海月
午前二時の国道は静かで存在の定義を忘れてしまう
僕の声が遠くに木霊して野良犬が彼方で吠える
明日の兆しは生ぬるい風が吹く方
薄れて行く希望の中で微かに芽を咲かす
その花に名前を付けてあげれば
昨日より少しだけ優しくなれるはず
偽善者と言う肩書きを名詞の肩書きに加えれば
誰もが自分を必要とする
迷惑な事や面倒な事を他人任せにする
僕らはそんな生き物だから光は射してこない
午前二時の暗闇の威圧感で目を醒ますこともしない
嫌な気配を感じ取り全身から嫌な汗を掻く
シャワーは大分前に壊れて冷たい水が出るだけ
摘み取る草木の芽を食して僕らは生きている
その癖に人に死
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