きみのせなか/
ユメアト
たとえば、きみに好きだよと
囁くときでも
ぼくはきみの、
背中を見つめたまま
きみがぼくに決して
そういう言葉を言わないのを知っているから
きみの白い猫背に囁く
ぼくは、たぶん、ずっと、このまま、
きみの猫背が
もっともっとまぁるくなって
ほんとうの猫みたいになってしまうまで
きみに向かい合って
ほんとうを言うことなんか
きっと。
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