羚羊/鏡文字
 
軽快な彼女だ
これがまた肉体は
なかなか形式的だった
彼女の重い頭を
両手に抱え
彼はその息吹さえ感じなかった

若い絵筆は
束縛を解こうと
青石の上で跳ね回っている

笛の音は魂を語る
ああ その
我慢のならない
糞まじめ
犬によくあることだと
知らないでもなかったが
恐ろしいから
彼は親切であり続けた


煙草を吸わない連中は
お喋りばっかりしているよ

吸気が咽頭に癒着し
呼気が環状に随伴する


軽快な勇敢さだ
これがまた同じく
どんなにその困難を希っていることか
そのくせこのままでは
去りかねる
彼女はその黒い目で
首切人種の目で
天蓋を築き
裸になって眠っている
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